Les Yeux Ouverts

〜TとYの冒険譚〜 (サタンのタンゴ 〜くらいよに どこからともなく きこえてくるよ〜 改め)

Il neige, tous les jours, encore, beaucoup.

11月の終わり頃から、雪やあられが降るようになった。毎日のように、一時ちらちらと舞い、うっすらと積もっては、すぐに消えていった。
今日の雪は雪らしい雪で、全然やまなかった。東京の大雪みたいに、どっさり積もった。5cm? 10cm? 家の前の小道は一面真っ白になった。靴で踏みしめても、足跡の下から地面は出てこなかった。降るだけ降った後で、巨大な雪だるまが出現。作ったのは大人かな。にんじんの鼻と、あじさいの手がつけられ、日本の雪だるまと比べるとすらっとした、等身大の雪人間。
通りを走る車は少なく、徐行している。チェーンなんて誰も持ってない。自動車が上を走った後の雪が、ドロドロで真っ黒になっていた。排気ガスがみな雪に混じって、そこに留まっている。目に見えるとおそろしいほどの黒さ。泥なんて混じってない。全部が排気ガス。
歩いていると、少しでも地面に角度があると、足がすーっと滑ってしまう。ほんのちょっとの距離でも、ずいぶん怖かった。
ここのところ寒すぎて、暗くなってからは姿をみかけなかった裏の子供たちが、元気よく路地に出てくる。ここに住む4人の子供たちだけの秘密の庭。存分に遊んで、降ったままのふわふわの表面がなくなっても、まだ雪は真っ白のままだった。