Les Yeux Ouverts

〜TとYの冒険譚〜 (サタンのタンゴ 〜くらいよに どこからともなく きこえてくるよ〜 改め)

雨の巴里

雨の降るなか街の中心まで出かけて、重要な書類を出してもらいに行った。何度足を運んだか分からない場所で、やっとのことでその書類がもらえたのだった。ここまでに必要だったのは、複数の手続きが進行するだけの時間、余計に複雑になる手順の理解、その間でタイミングを見計らってこちらから出向くこと、手続きの完了。つまるところ、忍耐。いつも混んでいて行く度うんざりさせられる場所に、年末の、パリにまだ人が戻らないうちにと行ってみると、ことはすんなり運んでくれた。
曇ったバスの窓からセーヌをのぞく。メトロやバスからセーヌが見える場所では、必ず窓の外を観るようにしている。今日のセーヌは大増量中だった。ヨーロッパの街を流れる川の中ではおとなしい方だろうと思うのだけれど、時にはこの川も氾濫することがあるのだと予感させる姿だった。