Les Yeux Ouverts

〜TとYの冒険譚〜 (サタンのタンゴ 〜くらいよに どこからともなく きこえてくるよ〜 改め)

牡蠣は殻の中の海水が旨い

気軽に歩いていける図書館の1つに、演劇を専門にしているところがあった。他の図書館でも文学作品の朗読CDをいくつか借りたのだけれど、そこへ行くと演劇関連書籍の他に戯曲の上演や朗読を録音したCDも多くはないが扱っている。これから読もうと思っていたものの音源がもしあれば、それはもう大助かり。聞きながら読んでしまえば録音時間通りに読書がすすむ上、目と耳の両方で言葉をたどることで、理解が早まる。作家や俳優たちの発音を聞くことで、優れた言語感覚が耳から鍛えられる。とは言え、集中力もかなり試されるし、意味がわからない単語が次々と出てきたところでは、音を止め調べなければ進めなくなることもしばしば。今ぐらいのフランス語力の間が一番、フランス語で書かれた作品から多くのものを得ているような気がしている。言葉そのものと、語られたことと、両方から何かしらを受け止めながらの読書。読みたいものならいくらでもある。専門家たちが集う図書館ではなく市民図書館が、今の自分には牡蠣の中の海水みたいに栄養たっぷりに思える。