Les Yeux Ouverts

〜TとYの冒険譚〜 (サタンのタンゴ 〜くらいよに どこからともなく きこえてくるよ〜 改め)

食べる雪、食べない雪


雪の降る日が続いている。昨日の夜から今日にかけて、また少し積もった。近所の子どもたちがいなくなってしまったので、積もった雪はきれいなまま、ただ溶けていく。子どもの頃は、降りたての雪を、東京の雪がけっしてきれいなものではないことを知りながら、毎年のように食べていた。車のそばに降った雪は、なんだかやけに苦かった。ある年の夏に黒部ダムへ行った時、万年雪の塊の一部を食べたいとわがままを言って、ここなら食べても大丈夫というところを母に取り出してもらった古い古い思い出がある。高校生にもなって、初めて思いついたみたいに、カルピスをかけかき氷みたいにして食べたこともあった。パリの雪がどんな味か知りたい気持ちもあるけれど、見たところあまりおいしそうではないので、今のところその気になってはいない。