Les Yeux Ouverts

〜TとYの冒険譚〜 (サタンのタンゴ 〜くらいよに どこからともなく きこえてくるよ〜 改め)

古本屋さんにて

足を踏み入れるのは3度目の、近所の古本屋さん。前に来た時デュラスの本を買い、今回もデュラスについての本を見ようとしていたので、お店の人に、デュラスが好きなの?と聞かれる。Ouiと答えると、どの小説が一番好き?と言うので、むずかしい質問だけれど、今はDétruire dit-elleかな、と言うと、ん?太平洋の防波堤ではなくて? (模範解答出してきたな?)それも好きだけど、Détruire dit-elleだよ。ミニュイから出てる。え? その会話を聞いていたお客さんのおばちゃんが、私はわかったわよ、と笑顔。文学や人文科学、美術に特化した古本屋さんで、小さな店ながら品揃が面白く、たよりになるお店であるのだけれど、店主(にしてはまだ若いと言える男性)がDétruire dit-elleを知らないとは、不思議なものだ。デュラス自身が映画にしていることを話そうかと思ったけれど、やめておいた。日本語の題は、『破壊しに、と彼女は言う』。小説といい映画といい、とてつもない作品だと思っている。