Les Yeux Ouverts

〜TとYの冒険譚〜 (サタンのタンゴ 〜くらいよに どこからともなく きこえてくるよ〜 改め)

アントニオ・ロペス!

7年目の記念日にと決めていたお出かけは、Bunkamuraの美術館で開催中の、アントニオ・ロペス展。渋谷までベビーカー連れで行くのは、はじめてのこと。

平日の午前中。ひとけのない円山町を歩き、無事、Bunkamuraにたどりつく。

一番最初に展示されていた、まだ10代の時に描いた『パチンコを撃つ少年』という絵が、いきなり素晴らしく、描くことのなんたるかを、早々と体得していたのだなと思う。天才は大抵このパターンか、とジャコメッティを思う。

エリセが映画に記録したこの画家には思い入れがたっぷりあって、どの作品を見ても、我が心の画家という感じ。やっぱりマドリッドを描いた絵が好きだなと思う。マドリッドの街のことも、夏のあの強烈な暑さとともに、思い出す。スペインにはいい思い出しかない。

再会したマルメロの絵の前で、しばしたたずむ。パリでこの絵のためにポンピドゥーへ何度も何度も足を運んだのは、2007年のこと。けれど今回は、生後4ヶ月間近のYと一緒なので、高速で思いにひたり、あっという間に別れを告げた。気軽にもう一度来ることもできないけれど、きっとまたいつか。

Yが短く貴重な新生児だった間、本当に小さくて、とってもいい姿かたちをしているのを眺めながら、今この時のこの姿を丸ごと誰か彫刻にして!!!と何度も思っていたところ、ロペス氏は産まれたばかりの自分の孫を、描いたりいくつもの彫刻にしていたのだった。ふふふ、やっぱり!という思いと、Yのもお願い!という思いで満たされる。幸い、Tの妹が画家なので、Yも絵に描いてもらうことはできたのだけれど。

美術館を出て、隣接するドゥマゴパリのテラスで記念のランチ。ボリュームたっぷりでお肉料理の味も良くて、家を出てから帰るまでYはずーーーっといい子で、大満足の記念日となりました。まる。 

渋谷の街を越えてくる覚悟さえあれば、ドゥマゴランチはまたいつでも行きたいな。